個人投資家はゲリラ戦

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尊敬するW.D.ギャンを分析して守りの投資秘術に迫る、ギャンの視点と28ルールとピラミッド

「株で300万以下の戦う個人投資家」FBページもよろしくお願いします。

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個人投資家にとっても、著名なプレイヤーの栄枯衰退を知ることは非常に重要です。ジェシー・リバモアやジョージ・ソロスといったイケイケのトレーダーをイメージされる方もいるでしょうがココではある意味地味で変人なある一人の男について見ていきます。

 

W.D.ギャン(ウィリアム・ギャン)は、1900年台を代表するテクニカルタイプのトレーダーです。「ギャンの価値ある28のルール」や「ピラミッディング」といった今でも支持されている技術を提唱した本人でもあります。一方で、オカルトプレイヤーとしての人気も厚く人間味も非常に面白い相場師です。専門誌の記者にトレードを記録させていた際に、約92.3%取引で利益を上げ元手を10倍程増やしたといった逸話もある守りの相場師W.D.ギャンを紹介します。

 相場の規則性を重視するピラミッドおじさん

W.D.ギャンの主な功績は、手堅い勝率です。負けないためにはどうしたら良いか?という点でジェシー・リバモア等の「大勝したトレーダー」からは学びづらいエッセンスが豊富に含まれる投資家でもあります。一方で、天体の動きや神秘的な図形から相場を読み解こうとしてある種のキチガイでもあります。

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ギャンの歴史の後半には、幾何学的な図形をつかった分析方法や考え方が紹介されていますが、正直それらは眉唾ものと考えられている側面があります。(一方で、熱狂的なファンの間にはこの部分こそ真理だ!という声もあります。)

 

ギャン自身がどれだけピラミッドを愛していたかについては、今でも販売されているこの本の「はじめに」の文をお読みください。

実践ギャン・トレーディング―相場はこうして読む

実践ギャン・トレーディング―相場はこうして読む

 

ギャンの後半の人生のオカルトっぷりと主に個人投資家向け書籍の販売が収入源だったことから「テクニカルの技術として参考にならない」といった意見も多いですが、一方でギャンの前半の人生のガチっぷり(記者の前で大勝ちしてみせる等)を踏まえると個人的には優秀なプレイヤーであったと認識しております。

 

確かにピラミッディングの技術からギャンの後半の人生では幾何学的な図形の魔力にのめり込んでいたようです。実際、ギャン自身は天体の動き等にも興味を示します。フリーメーソンにも加盟していました。

 

 

ただ、ギャン自身が編み出した「ギャンの価値ある28のルール」、「ピラミッディング」といったリスクをコントロールしながら難しい相場に挑戦する技術は一見の価値があります。

オカルト面は一旦置いておいて、ここではギャンの残した大きな功績である「テクニカル分析」の部分に着目して現代の個人投資家は何をどのように、どうして勉強するするのか?という基本的なテーマについて迫っていきたいと思います。

  

 エリオット波動理論、RSI、ダウ理論等、現代っぽい分析もしてた

ギャン自身が分析を通して知りたがっていたものにはエリオット波動理論やRSI、一目均衡表、ダウ理論等に近いものがありました。これは逆に言えば「ギャン自身が相場で利益を上げるために必要だと感じていた」という事の裏返しであります。

 

つまり

・投資のライフサイクルが存在する

・相場は人が動かし過熱感が左右する

・情報がトレンドを生む

・統計的な分析である程度予測できる

といった既視感がすでにギャンの時代にはあったということです。

 

 これは矛盾に近い部分があるかと思いますが

・相場は人が意思決定するので理論値通りにはいかない

・とはいえ、母数が大きくなるほど決まった傾向が見受けられる

といったある種の確信をギャンは冷静に、科学的に、根拠付けをして、相場に挑んでいたという事が読み取れます。

 

ギャンが活躍した時代は第一次世界大戦の頃でもあり、これらの技術は昇華してギャンが利用していたものは今の相場には対応できてないと考えられるので省略します。ただ、情報収集に時間がかかったあの時代にこういった統計的なアプローチを利用したことが極端な差別化要因になり、勝率8割超えの伝説になったと個人的には考えています。

 

とは言え、廃れていないギャンの技術には大きく2つ「ギャンの価値ある28のルール」や「ピラミッディング」がございます。この2つは今でも一見の価値あるものかと思いますので触れていきたいと思います。

 

ギャンの価値ある28ルール

これは、投資家の格言のようなもので主に心理面で負け戦をしないための掟が書かれています。非常に有名で、ギャンの強さを「徹底したルール遵守にある」と考えているトレーダーも多くいます。

___

1.資金の1/10以上損失が出るような掛け方はしない。
2.毎度ストップロス・オーダーを置け。
3.過剰な売買をしない。資金配分を守る。
4.トレーリングして利幅を増やす。
5.トレンドに逆らわない。
6.迷ったらトレードしない。
7.アクティブなマーケットでのみ取引する。揉み合いには手を出すな。
8.1銘柄に全力投入なんてしない。2~3銘柄でリスクを分散する。
9.指値注文はせず、成行のみで取引すること。
10.充分な理由がないのに手仕舞わない。
11.トレードで儲けた黒字分は別に分けて管理すること。
12.スキャルピングはしない。
13.ナンピンはしない。
14.耐えよ。焦るな。
15.小さな利益と大きな損失を避けよ。
16.ストップロス注文を置き、これをキャンセルしない。
17.頻繁な売買は避ける。
18.空売りも有効に使え。
19.値頃感で取引しない。
20.ピラミッディングも有効に使え。
21.トレンドが明確な時だけピラミッディングする。
22.ヘッジの両建てはするな。
23.十分な理由がなければポジションを決済してはいけない。
24.儲けた後は、取引量を減らす。
25.相場の天井/底を推測しない。
26.他人の意見には従うな。自分で研究せよ。
27.損失が出た後は取引量を減らせ。
28.間違ったポジションメイク・間違った決済をしない。

___

個人的には28のどの格言も大切だと思います。一方で、「今の投資家には○番は当てはまらない」という方もいますが、どれが大切でどれが不要かを見極める作業も個人差があると思っているので相場で揉まれながら個人で見極める点だと考えています。

 

個人的によく使うのは、「迷ったらトレードをしない」というものです。手前味噌ですが、11日(金)の相場は序盤から先が読みづらい日経平均であったため保有銘柄のうち評価益を狙う銘柄に関してはすべて益出しを行い現金化しました。

26番の格言はこの先もずっと正しいと思われます。投資は自己責任だからこそ、自己研鑚が必要になると言うことです。

 

20番目にはピラミッディングという言葉がでてきます。後述しますが、個人的には判断が難しい相場で活きる技術だと捉えています。

一方で、「ピラミッディング 「も」 有効に使え」となっている点は注意が必要かと思います。ピラミッディングは万能薬では無いという事です。

 

ピラミッディング

まず、この手法は万能ではありません。トレンドを重視していたギャンが、「明確なトレンドを起点から資金を投じていくには?」という視点で考えた結果だと個人的に捉えています。

 

ネット上では少し勘違いされている方が多い気がするので僕なりに詳しく書きます。

ピラミッディングは

・必勝法ではなくて、あくまで資金注入の戦術

・ピラミッディングはリスクをコントロールする技術

という資金注入の戦術です。ネット上を見るとマーチンゲール法と一緒に「投資に必勝法はあるか?」みたいなテーマで扱われる事が多いですが、ギャン自身が非常に信念を持って使っていたのは真実ですが必勝法ではありません。

 

ピラミッディングとは、

上昇トレンドの中で1000株、上がったら500株、また上がったら200株、といった具合に段階的に買いを入れていく技術です。トレンドが終了した頃合いを見計らって売ると、持ち株の時価総額が平均化されて売った時の株価よりも低くなるという考え方になっています。

 

これは、

1000株で買った価格帯が保有銘柄の総株数の多数派になるため、安い値段で多く買い高い値段では少なく買うという事が、心理の壁を技術によって迷いなく実行できるという特徴があります。

つまりピラミッディングは、千載一遇の「買い」の瞬間(だと思うけどどうだろうか?)という時にリスクをコントロールしながら資金金融商品に入れていく技術です。

 

 

よく間違った解釈をされている方が、「最初に買った後ですぐに下げたら損して終わる」といった事を書かれますが、そもそも最初に買った分だけで損失を限定する事に意味があるのです。

千載一遇のチャンスに全ツッパしないで程々にリスクを取るための戦術であり、戦略ではありません。目の前の相場に「買い」を入れるか見送るかを適切に行うための技法で、勝つための作戦(=戦略)ではありません。

 

「28ルール」「ピラミッディング」だけがギャンじゃない

ここで、個人的な考えを述べさせていただくと「なぜ28ルールやピラミッディングがもてはやされたのか?」を知ることが、個人投資家がアホで間抜けなのかを理解するきっかけになると思います。

 

28ルール、ピラミッディングをこれだけ力説してからで申し訳ありませんが、ギャンが高い勝率を誇ったのは相場自体を数字等で見える化して相場に参加している投資家の動きを読もうとしたからです。

 

 

ただ、個人投資家はこうした技術の研鑽に消極的です。でも、本当に大事なのはなんだか有難そうで分かりやすい格言や簡単なロジックにすがることではなくて、合理的に判断するために技術的に裏付けのある方法を思考タイムを0にして能動的に使えるようになることです。

 

はじめのうちは難しく間違うことが多いかもしれませんが、きちんと考えて答えを導き出していく作業を反復していく事で段々と能動的に使えるようになっていきます。これこそが個人投資家だけじゃなく相場で勝つための秘訣だと考えています。

 

ギャンから学ぶべきは、その真摯な姿勢です。相場の参加者の人間臭い部分をいかに合理的に判断するか?という点に統計的・数学的なアプローチを試みた点が秘訣です。

 

自分なりにロールモデルを見つけよう

文章の熱の入りようでお気づきの方もいられると思いますが、オカルトチックな部分も含めて僕は尊敬しています。ギャンの真髄は占星術!!!

 

個人的には こういったロールモデルを見つけることが重要だと考えていまして、ロールモデルといかないまでも有名トレーダーのプレイスタイルについては自分なりの意見や考えを持つことは重要だと考えています。

 

なるべくは情報の発信を多くしている、現役のトレーダーの方がいいと思います。証券会社のセミナー等を通せば、直接お話しできる機会もあるため「具体的これこれの技術はどうやって身につけたのですか?」といった踏み込んだ質問もできるようになります。

 

この質問のいいところは、「証券会社の社員時代にどういう修行をしたのか?」というプロの投資家の背景に迫れるところです。過去の雑誌のコラムから読み解く事もできます。

 

個人的には、山崎元さん、澤上篤人さん、藤野 英人さんあたりが著書も多く講演機会も多いのでいいのかなぁと思います。ツイッター等で活躍している個人投資家さんでもいいと思いますよ。

 

 

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