ゲノム医療(遺伝子医療)の市場性と概要
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ゲノム医療への取り組みが最近活発化しているようなので、テーマ株としてのポイントをいろいろまとめてみようと思いました。今回扱う「ゲノム医療」は少し前まで「個別化医療」という名で紹介されていて、遺伝子(DNA)情報を基に個々人に合わせた治療を目指すというテーマです。
今回は、あくまで概要と市場性にスポットを当ててざっくりテーマ株としてどうして着目されているのかを紹介したいと思います。
アメリカ、イギリスでは既に大きく予算が組まれている
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/genome/dai4/siryou02.pdf
厚労省「ゲノム医療に関する諸外国の取組について」
この資料を真に受けると、アメリカで420億円。イギリスで600億円。ということで、日本での市場創造に期待がかかっています。
また、こちらの記事ではDeNAが遺伝子ビジネスに参入するという視点で書かれていますが、ここでは11年度の国民医療費の約38兆円を根拠に「38兆円市場」と書いてありますが、大げさには思いますがあながち馬鹿にできない規模の市場性を期待できるかと思います。
個別化医療に期待できる新しい医療の形
先ほどの厚労省の資料の基になった論文を見ると、大きく患者側のメリットとして様々な事が期待できるようです。
http://www.jpma.or.jp/opir/research/rs_056/paper_56.pdf
南雲 明「薬物治療における個別化医療の現状と展望-基礎研究の進展が医薬品開発に与えるインパクト-」
患者側のメリット
安全性・有効性の高い医薬品の入手
低効果・無効な治療回避による副作用リスクの減少
無効薬投与による無駄な医療費の削減
治療満足度・QOLの向上
国のメリット
次世代予防医療の推進
国民医療費の削減
疾病予防・早期回復による労働生産性向上
医療関連産業の育成・成長による雇用創出
製薬産業のメリット
創薬プロセスの効率化(コスト・期間・成功確率)
革新的医薬品の研究開発の促進
販売・開発中止薬の復活・救済・適用拡大
産業競争力の強化
上記が主な、ゲノム医療のメリットになります。太字はゲノム医療の市場拡大に関わってくるポイントだと感じた部分です。
個人的に感じるのは、ゲノム医療はこれからの医療のスタンダードになってくるんじゃないか?と言うことです。治療方針に「個性」という新しい軸が生まれることで奥行きが生まれ、
規模としても大きいだけじゃなく0から市場を作っていく必要があるという点でこれからの常識になるジャンルだと感じました。
市場性におけるゲノム医療の課題
市場規模の説明であったように、遺伝子治療はアメリカとイギリスが大きくリードしています。日本は遺伝子治療の世界的貢献率も低く、重要度が軽視されていたと言ってもいいかもしれません。
ヒトゲノムプロジェクトにおける貢献率を見ると、アメリカが58%、英国31%とあるなか、日本は6%となっています。
二番煎じ的な形でのゲノム医療の輸入はあっても、日本で前向きに研究されていくか?と聞かれると少々疑問な気がします。
http://www.smbc.co.jp/hojin/report/monthlyreviewtopics/pdf/2_05_CRSDMR1208.pdf
また、2012年に三井住友銀行の出したレポートを見ると「日本においては診断薬と医薬品では保険点数の設定方法が異なっており、医薬品がその有効せに鑑みて適正な薬価が算定されるのに対し、診断薬は保険点数に上限が設けられてきたことから開発へのインセンティブが働きにくい状況が続いてきてこと、などの課題が指摘されています。」
とされています。
また、具体的なことが何も決まっていないというのも不安材料としてあります。
最近になって、ゲノム医療の記事が目立つようになってきましたが政府としての後押しは枠組みだけで具体的な予算等は組まれていません。
ただ、2015年時点で「16年の夏を目処に」という目線でアクションを動いているフシがあり、今夏はそれがどのていど期待できるのか?という点に個人的に興味があります。
ゲノム医療推進/政府作業部会、今夏めどに適用課題まとめ | 医療・健康・食品 ニュース | 日刊工業新聞 電子版
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